◆ 自由律俳句 2003年12月
2003.12
◆ きょうの弱味酒にのまそう すずきみゆき
2003.12.5
◆ カラカラと風の落葉 落日にある すずきみゆき
2003.11.17
【柿の実】 すずきみゆき
◆ 大根は根を生やすことで生きている
◆ モヤシは芽を出すことで生きている
◆ 蔦は葉を這わすことで生きている
◆ 桜は花を咲かせることで生きている
◆ 柿の木は実をつけることで生きている
◆ 言葉は人間の都合で生きてくる
◆ 老木に柿の実ひさびさ まだ覚えていたらしい
C-Direct-2U ★「ちょ詩」-27 2005年3月14日号に投稿
詩を作ってみよう♪に投稿
2003.11.14
鏡にしらがのじぶんを写して
なかなか似合ってきたなと笑う
たいせつなものを見極めて
いらぬもの全てすてた部屋に
残ったヘアカラーの容器が
不燃ゴミの日を待っている
すでに秋がおわったベランダで
洗濯機のわたしをあらう音がひびく
まっさらにあらわれた心にひとつ
染みついた亡くしたくない想い
やっと迎えたすがしい冬の朝
わたしが私をみきわめる
洗いざらしの ほんとうの自分
2003.10.27
【ふるさと】 すずきみゆき
◇ 積雪に埋もれて咲けり一輪の けだかく香る紺碧の花
◇ 春陽浴び粉雪煙りて山越えり 海恋ひて吹く風の嬌艶
粉雪 こゆき 煙りて けぶりて 嬌艶 きょうえん
◇ 白雲に注いだばかりの空の青 溶けて和んで春は流れる
◇ 春日浴び美しき葉の枝垂れ落つ 可憐な花に名を尋ねけり
◇ 秋風の花野に咲ける一輪の向日葵とおく夏を臨みぬ
◇ 東雲の白き岩膚波に濡れ 浄土が浜の風もときめく
東雲 しののめ
2003.10.25
【歩み】 すずきみゆき
◇ 夢おうて漕ぎ出す舟の櫓は軋む
「おうて」は「負うて」と「追うて」をかけました。
◇ 幼けなき想い芽ぐみて花を待つ
◇ ひたひたと影ついてくる日向道
◇ 秋収め実らぬ稲の空仰ぐ
◇ どろんこ道ひとり足跡つれてゆく
2003.10.2
【酒】 すずきみゆき
◆ 会うて また酌み交わす するめツマミにして
◆ すきっ腹にぐいと懐かしさ広がる
◆ 夕んべの燗冷まし入れて煮魚旨い
◆ 腹に大根熱く 冷や酒流し込む
◆ 酔うたふりして振る手さびしい
2003.9.12
●人類が滅ぶことがあっても・・・ すずきみゆき
・海鳴りの朝を過去から届いたゆうびん 久光良一
最初に、なんとも心地よく胸をしめつけられる思いがします。
それから句の意味を考える・・・
感覚的に全ての言葉を受け入れることが出来るこの句には、
美しい言葉が列ぶだけではない、読み手の「心の襞の隙間」と
同じ形に姿を変えて心に深く浸透する魔力があります。
「ロマン」という名のフェロモンを漂わせるりょう先生の
生きた言葉に呼応し音を紡いでいく私の心も生きて、
命が永遠であるかのように感じる。
宇宙が変容を遂げるほど時が流れて人類が滅ぶことがあっても
残せるものが在ると信じたいものです。
2003.7.8
◆ 海面を切って石とおく七夕の願い すずきみゆき
◆ 瓦に苔白み雨の欲しい夏の夕暮れ すずきみゆき 白み しろみ
◆ 雲間から地獄を覗く天女とふと目があう すずきみゆき
2003.6.26
●病む すずきみゆき
最近つよく感じたことですが、
他人への迷惑を顧みず 我が物顔で平然と世渡りをし、それを 生き抜くための強さだと 嬉々として主張する輩をみると、
この人たちの心こそ現代社会に蝕まれ病んでいるに違いない、と思ってしまいます。
競争社会で勝ち残るためには、確かに こういう強さも必要でしょう。
しかし、もっと強ければ・・・他人に配慮する余裕があるのに・・・
いや、たとえ自分が生きるのにいっぱいいっぱいでも、同じ社会で一緒に生活する以上 他人のことも考えながら生きて行くのが当たり前ですよね。
この世の中、一体、
他人の立場や心の痛みを理解し、うわべっつらの優しさじゃなく
本物の思いやりを知り実践しようとする バランスのとれた
強靱な心が どれだけ存在するのでしょうか?
私自身を顧みても、そういう意味で本物の社会人になることは難しいと感じます。
2003.4.1
ピアノの友だちへ
◆ 慈しみ育てた子の春陽遡りて逝く すずきみゆき
いつくしみそだてたこのはるひさかのぼりてゆく
◆ 胸の中にも腕の中にも まだあなたがいる すずきみゆき
2003.4
◆ 闇際立てり法悦の後夜 すずきみゆき
後夜 ごや = 達陀(だったん)を行う時間帯
2003.4.9
◆ 花祭りおわって清しい朝の光り すずきみゆき
◆ 待ち望んだ青空になぜ孤独際立つ すずきみゆき
◆ 孤独は哲学じゃなく実感だった すずきみゆき
◆ 思索から生じた疑念がつづけさせた思索 すずきみゆき
◆ 空っぽを「わたし」で埋め私がなくなった すずきみゆき
2003.4.10
◆ 冴え返り温みなおして それだからいい春 すずきみゆき
2003.4.17
◆ ふきさらされど ぬくみてなごむ春のベランダ すずきみゆき
2003.4.25
◆ ささやかな希望ゆらして春風のとおり道 すずきみゆき
2003.4.4
●生を全うするために すずきみゆき
何年か前の秋、私は北海道の南東を旅しました。
東京港から室蘭まで(船に2泊)シンフォニー号で海を渡ったこと。
夜通しデッキで潮風に凍りながら満天の星を見上げ作曲をしたこと、
根室で見た日の出や、野付半島のトドワラ、
知床半島で10人乗りのクルーザーにのったこと、
色々思い出します。
北海道の旅のあと、
苫小牧の港を出て船内で1泊し翌朝6時に八戸港へ・・・
JR八戸駅まで地図をたよりに7時間歩き続けたこと。
それでも飽き足らず陸中海岸の砂浜を二駅歩いた同じ日の途中下車の旅。
岩手県宮古の実家に着いたのは夜10時50分だったっけ・・・
うす黒くよごれた身体を風呂にしずめて早々に上がり、たまたま用事で来ていた母と一晩中語り明かした。 あの頃はまだ、
母も若かった。
翌日、友人のピアノリサイタルを聞きにいって、その日の夜行バスで東京に戻った。 家には帰らずに、仕事先の専門学校に
直行したっけ・・・
呆れるほど若かった・・・とても心臓が悪い人とは思えない。(爆)
いや、肉体的なハンディを撥ね除けようとして がむしゃらだったかも。
今思えば、早く燃えつきて生を全うしようと懸命に闘っていた気がする。
2003.3.21
【演奏】 すずきみゆき
戦争なんか見なかったみたいに江戸川の空は澄んでいる
むしろ雨でも降ってくれたほうが心が和むのに・・・
闘いとは無縁に 明日が本番で
終演後 世界の何かが変る気配を感じながら
きっと普段通りに打ち上げるんだろう。
アルコールも いつも通りの味わいで・・・
今は 本番のことで頭がいっぱいで
何もかも忘れたいところだけれど
心の片隅にひっかっかた戦争への疑問を留めたまま
私だけは いつもと違う演奏をしよう。
2003.3.16
◆ いずみ甦り春の月もゆらぐ すずきみゆき
◆ あおにむかう昊のしろさがまばゆい すずきみゆき 昊 そら
◆ 地上を照らし昇る陽の主役になる刹那 すずきみゆき
◆ ひたひたと影ついてくる日のあたる人生 すずきみゆき
◆ 大きな地球が月に影落としてる すずきみゆき
3月の作品
詩を作ってみよう♪に投稿
2003.3.15
【 罠 】 すずきみゆき
缶の中では円筒形に溶解した生き物が
冷やかに沸騰を待ちつづけている。
ヤツこそ
わたしに侵入し内臓と脳を侵食する機会を狙っている。
そうだ
そのために作られたのだ。
強烈なフェロモンを沸騰させ
かつては わたしの舌に喜びを満たし
今 缶の中で わたしの渇いた唇を嘲ている。
冷やかに わたしの食指を刺激するオマエを
征服するのは わたしの方だ
2003.2.10
◆ 良きも悪しきもこえてきた ただみつめあって すずきみゆき
2003.2.13
◆ 雪溶けて谷馳せる水の音山渡る すずきみゆき 音 ね
◆ 大きな顔が居残る 満月の朝 すずきみゆき
2003.2.28
◆ とんびがなぞった青の風描 すずきみゆき 風描 ふうびょう
2003.2.28
◆ うーんと伸びしたその指さきに春がある すずきみゆき
2003.2.6
●想い出の殻 すずきみゆき
東京の家では豆まきを落花生でやっていました。
建て替える以前の古い家から家財道具一式を運び出した時に
タンスの裏から落花生が一つ、まだ枯れていない幼少の頃の思い出をいっぱい詰めて、ひょいと転がり出てきました。
その記憶の殻を剥いて噛むと、ほわっと甘い香味が漂いました。
2003.2.1
●宗教と国家 すずきみゆき
「国家」が「宗教」を持つ必要はないと思いますが、
「人類の存在の源」を神仏であると考えるのなら、神仏を尊ぶ敬虔さを理解できます。
表向きは宗教上の対立が発端となっているようでも、実は戦争のための大義名分に利用されているだけでは無いでしょうか。
利用されてはならないと思います。
私は宗教家ではありませんが、宗教にせよ芸術にせよ、それに携わる人間が、ほんとうに守るべきモノを見極めなければなら
ないと思っています。
2003.1.8
◆ 残すところ365日のスタート すずきみゆき
◆ 寒空がピーンと背中になげた朝の気力 すずきみゆき
◆ おお 空が太陽だ 風が鳥だ すずきみゆき
◆ 記憶のそとに零した思い出の染みきえない すずきみゆき
2003.1.17
◆ 走っても走っても太陽を追いこせない すずきみゆき
2003.1.24
◆ 風が素足に恋して裳裾はだける すずきみゆき
「一行で詠おう!自由律俳句」に投稿
◆ 落とす影 花と蝶との真昼の戯れ すずきみゆき
◆ 窓ガラスに雪が解け溢れては伝うている すずきみゆき 伝う つとう
2003.1.28
◆ 夢長く覚めて生きるも哀しい すずきみゆき
◆ どろんこ道ひとり足跡つれてゆく すずきみゆき
◆ 歪んだ顔が覗きかえす風の水たまり すずきみゆき
2003.1.4
●組曲「陸中の海」第一曲『浄土が浜の日の出』 すずきみゆき
昔、夜2時半ごろタクシーを呼んで、岩手県宮古市近内の実家から
陸中海岸の浄土が浜へと向いました。
薹の立った大学生の私は、作曲のために日の出を見に行ったのでした。
10月の終わりの月夜の晩でした。浜風が体に刺さります。
寒さを堪えようと自動販売機のあるレストハウスの前まで歩きました。
あんまりコーヒーを飲むとなぁ、冷えるし、トイレも暗そうだ・・・
いや、この日は不思議と尿意はもよおしませんでした。(笑)
私は、外灯の灯るその場所を 暖かく感じて、フードの付いたコートに
包まれるように腰を下ろし建物に背をもたれかけました。
その時聴いた潮騒は、あたかも地球が寝息をたてている様でした。
あれは 遠い遠い記憶だったのでしょうか?
・・・ ワタシノ カラダハ コノ ウミカラ ウマレタ ・・・
( 母なる地球の胎内に かえってゆくのは 少しもこわくない )
と感じました。
水際まで歩き、海水に触れると暖かだった。
神秘的な 海と私の対面を 月が蒼く映し出してくれます。
心をうごかされ 直ぐさま スケッチブックをとりだし、
聴こえてくる音を五線にのせていきました。
組曲「陸中の海」の第一曲『浄土が浜の日の出』は
こうして生まれました。
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