2005年12月27日 (火)

詩【第3の磁極】  2005.12.27

2005.12.27

【第3の磁極】  すずきみゆき


今朝の私は

いかにも私らしい

N極にも

S極にも反発する

第3の磁極のようだ


それでいて

確かに

ある方向を探っている

一向に定まる気配のない

震える針先


N極や

S極がなければ

消滅するであろう

第3の磁極

のような今朝の私が

午後の私でもあり続ける

かどうかなど


集積場のカラスにでも

聞いてみなけりゃ分からない

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詩【半世紀生きて】  2005.12.27

2005.12.27

【半世紀生きて】  すずきみゆき


半世紀前の今日

今は亡き父方と母方の二人の祖母と父母のいる家庭に生まれ

5歳で両親に連れられて上京した


10歳になって先天性心臓病と診断されるまで

私のが普通のからだだと思っていた


今は心蔵病も根治させ

夫と息子たちが近くにいる180度ちがった環境で

私は音楽家として暮らしている


彼らファミリーも時々は様子を見にくるが

ここを訪れる人のほとんどは私の弟子達だ

この建物はいわゆる家庭ではなくライフワークの仕事場で

ここが生活の基盤であり私の日常なのだ


しかし

音楽家として絶好の環境とも言える一人暮らしの匂いの漂うこの場所は

ひとたび仕事を離れると実に味気ない

なのに私はこのアジトを離れられないでいる


確かに何かを成し遂げようとすれば

最終的に自己との戦いは避けては通れないのだし

カラダの不調も夫の言うように時期的なものなのだろうと思う

だから

今ここで頑張らなくてはと言い聞かせている


桃源郷ではないが

理想郷などというモノは

やはりこの世には存在しないのだろう


自分の責任で自由を使いこなす自立した生活が許され

必要な時だけ助け合うファミリーがいる

私の環境が芸術家としての理想である事は確かだが

一般的な家庭のぬくもりとは無縁になっている

もちろん特別な場合をのぞいて家族のしがらみからも解放されている


何から何まで追い求めるのはよそう!

中途半端な人生を歩んでしまうに違いない

きっと一人の人間が与えてもらえる幸せの量は決まっていて

それ以上を欲する事こそ罪悪なのだと実感できる

私も半世紀生きてほんの少しだけ成長したようだ

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2005年12月26日 (月)

詩【透明人間になったら…】  2005.12.26

2005.12.26

【透明人間になったら…】  すずきみゆき


だれからも見えない透明人間に

なれたらいいなあ…

という願望を

子どものころには持っていた

人の目を気にせず

自由気ままに行動できたらいいと思った


今 半世紀生きてなお

私は透明人間になりたい

他人から見られるのは構わないけど

私の前から「わたし」を

消し去ってしまいたい

衝動に時々かられるのだ


限りなくゼロに近づきいてゆきたい心が

ある朝カラダを透明にしてくれる


私が「わたし」を見失う

そうなってももう私は探さない

探さないでそのまま眠りたい


息子よ 父よ 母よ 最愛の夫よ

そんなふうになった私を

あなたがたは

どんな想いで見つめてくれるだろうか・・・


自分だけのためになら

とっくに消えていた筈の私のカラダを

私は見つめている

息子と 父と 母と 最愛の夫と同じ視線で・・・


もはや私のカラダは私ではない

ただの一つの物体でしかない


もはや私はこのカラダに不在だ

透明になったのはこのカラダではなく

私だ


遠い とおい記憶の

子どものころの願い

透明人間になれたら…


今 私には願望はない

ただ、透明になった「わたし」が

どこかに居るだけだ


私には見えない

「わたし」がどこかに居るだけだ

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2005年12月 1日 (木)

詩【生きるってことは】  2005.12.1

2005.12.1

【生きるってことは】  すずきみゆき


生きるってことは

それだけで大変な事だと思う

あんなことや

こんなことに傷ついて

どうしようもなくても

人生投げ出すわけにいかないから

皆懸命に生きている


人に八つ当たりする奴もいれば

とばっちりを受ける奴もいる

勝手に傷つく奴もいるさ

怒りのやり場もない

やけ酒を呑んで帰る

それでも結局は

今の自分が出来る事を見つけて

生きていかなきゃあならない


生き甲斐があるとか無いとか

そんな生っちょろいものじゃないんだ

生きるってこと自体が闘いなんだと思う

どろどろとした見えない血を流し

見えない薬をさがし

見えない傷を癒しながら歩いてゆく

薬のつもりが毒だったりするんだ

そして とうとう

何をどうすればいいのか分らなくなる

もう そうなったらお仕舞いだ



生きるってことは

自分の行く手を信じ込んで

ひたすら歩いてゆくしかないってことだ

恐怖に泣き叫んだって

誰かに八つ当たりしたって

ただそれだけでしかない

無駄なエネルギー使わないで

怖がらずに当てずっぽうに

何処にでも歩いて行くほうがマシだ


今の私にとって

音楽は

生き甲斐などというキレイゴトじゃなく

こんなふうに生きるってことそのものになっている

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2005年11月30日 (水)

◆ 自由律俳句  2005年11月

2005.11

・・・ちょっと一昔前を思い出しました

◆ 病棟に千歳飴もって晴れやかなる子の来る    すずきみゆき

◆ お母さんにもあげるねと千歳飴あける小さな手  すずきみゆき

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2005年11月10日 (木)

●今回は今朝考えたことをチョット・・・  2005.11.10

2005.11.10

●今回は今朝考えたことをチョット・・・  すずきみゆき

昆虫のカゲロウなど交尾と産卵のためだけに成虫になるのだそうで、成虫になってからの寿命は数時間後から2〜3日だそうです。 また、成虫はなにも食べないのだとか・・・どうりでフラフラしていると思いました。( ̄□ ̄;)

すこぶる短絡的ですが、カゲロウにとっては、たった一日が我々の30年に匹敵するのですから、きっと一日が長く感じるのでしょうね。

人間の一生って若い頃に思っていたほど長くはありませんね。こんなふうに、長く生きた大人と人生経験の少ない子どもとの「それまで生きた時間の長さ」に感覚的な大差がないとすれば「生まれてから現在に至るまでの時間」こそが生物の時間の感じ方の単位になっているのかも知れませんね。(^◇^)

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2005年10月31日 (月)

詩【無言】  2005.10.31

2005.10.31

【無言】  すずきみゆき

青年が言った
先生には生き甲斐があるからいいと

馬鹿言いなさい
私が生きているのは まだ
心臓が動いているからです
私はとうとう青年に
そう言ってやれなかった

なぜって
彼は まだまだ
夢や生き甲斐というものを
信じて生きてゆかなければならない

習慣だけで生きられる
私は もはや若くないのだろう

うちの家族は みな同業者で
互いの痛みを知り過ぎている

陰で 血を滲ませ 決して怠らない努力が
一見華やかな自分を支えていることを

自分の目標である 表面の自分が認められれば
決して嬉しく無い訳ではないが
その反面
褒められれば 褒められるほど
ほんとうの自分を知らない人たちの
言葉が
反発したくなるほど厭なものだということを

私たちの茶の間には仕事の話題がない
たぶん
分り合えると信じることのできる無言が
どれほど やさしいものかを知っているから

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◆ 自由律俳句  2005年10月

2005.10.31

◆ たかだか 私の世界は頭蓋骨の内側      すずきみゆき

◆ 数ミリほどの穴から外を眺め引き蘢っている  すずきみゆき

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2005年10月 6日 (木)

◆ 自由律俳句【深み】  2005.10.6

2005.10.6

 【深み】  すずきみゆき

◆ ふり返った私の道がない

◆ みな死ぬまで生きて平等

◆ 床に沈んだ一年半の疲労おもい

◆ 上に行くしか道がないとんだ深みだ

◆ 床から起き上がっては鍵盤に指を這わす

◆ 腕が体が窓ガラスに透けている

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2005年9月30日 (金)

詩【詩人】  2005.9.30

         おとなのアートに投稿

2005.9.30

【詩人】  すずきみゆき

タイムマシーンに乗って
その詩を書いてる最中の
あなたを見に行きたい

狐か狸にたのんで
あなたの机に成りすまし
詩作を見守るだけでいい

あふれる想い走らせる
そのノートは
その文字はどんなで
ペンなのか 鉛筆なのか

わたしは
熱い楽想を 熱い想いで
しかし落ち着いて曲を作る

あなたはどうだろう
厳しさを
やさしさを
熱い言葉を

その時
足は組んでいるのか
どんな息づかいで
背中の肩の腕の指の
どんな表情で
詩を書くのか

タイムマシーンで帰る日
まだ私を知らない
青年のあなたに
わたしはどんなふうに…

ただすれ違うだけでは寂しい
そっと道でも尋ねてみよう

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◆ 自由律俳句  2005年9月

2005.9

◆ 月の姿くっきり うす雲つらぬく     すずきみゆき

◆ 悩み消えない 月がこんなにまるいのに  すずきみゆき

◆ 言葉だけの溝 慈しみあって埋める    すずきみゆき

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2005年8月31日 (水)

◆ 自由律俳句  2005年8月

2005.8

◆ 夕立のトマトいっせいに割れる  すずきみゆき

◆ 潮溜まりのカニと夫と飯を食う  すずきみゆき  夫 おどう

◆ 故郷は旧盆 夕立 野良仕事   すずきみゆき

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2005年7月31日 (日)

◆ 自由律俳句  2005年7月

2005.7.17

◆ 揺れる思い出の入口のノブが見えない   すずきみゆき

2005.7.18

◆ 友達のフリして心のカサブタひっ掻く   すずきみゆき

 (世の中には 斯様な人がおります。気をつけませう。)

◆ じんわりとも突然もおなじ終着駅     すずきみゆき

2005.7

◆ 深夜のブレーキ音 心が轢かれた     すずきみゆき

◆ 朝のシャワー浴び今日も歩けるだけ歩く  すずきみゆき

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2005年4月30日 (土)

◆ 自由律俳句  2005年4月

2005.4.

◆ 私の影伸ばそうとして陽が沈んだ   すずきみゆき

◆ 陽も影も葬った夜闇のまた流れ星   すずきみゆき

◆ 嘘と真と一日が始まる        すずきみゆき

◆ 緩んで鳴りだした春のオルゴール   すずきみゆき

◆ 空も私もぼんやり 春の日溜まりは  すずきみゆき

◆ とけて流れる水音も春だ       すずきみゆき

2005.4

◆ 夜の野を照らしだしバスが曲がる   すずきみゆき

◆ 風静か もの言わぬ石の想い     すずきみゆき

◆ 繋ぐことのできぬ一つの愛おもう   すずきみゆき

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2005年1月31日 (月)

◇ 短歌 雑詠

2004.6

◇ 雨上がり黒土に映ゆ散りたての
  花の心か濡れて赤々       すずきみゆき

2005.1

◇夕焼けや氷柱ざくりと日を刺せば
  ぽったん赤い雪解けの水     すずきみゆき

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2005年1月10日 (月)

◆ 自由律俳句【赤提灯】  2005.1.10

2005.1.10

 【赤提灯】  すずきみゆき

◆ 熱燗一本 ネギ間 レバ 軟骨 塩で

◆ とくとくと温もりをつぐ

◆ 猪口越しに目が合って口べたになるカウンター

◆ お客さんこっちの人じゃないべと目が笑う

◆ ふと窓の湯気拭いた指の隙間の銀世界

◆ ご馳走さまでしたと標準語さびしい

◆ 名残惜しい生まれ故郷の店灯り 雪は降る

 

>◆ とくとくと温もりをつぐ
これを方言で詠んでみましょう。語感に味が出ます。
  ◆ どぐどぐどぬぐもりぃつぐ

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2005年1月 3日 (月)

◆ 自由律俳句  2005年1月

2005.1.3

◆ 雪見てうとうとと陽だまりの廊下             すずきみゆき

◆ 常灯赤く闇際立たせる夜道を急ぐ             すずきみゆき

◆ おもたい空で暮れてきた カラスといっしょに帰りましょ  すずきみゆき

◆ 舞台跳ねて湯に酒に和む肩の重みほどよい         すずきみゆき

◆ 星 星 星 寒空が砕ける                すずきみゆき

   ◆ 星 星 星 寒空砕ける  (久光良一先生 添削)

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2005年1月 1日 (土)

◆ 自由律俳句【正月】  2005.1.1

2005.1.1

 【正月】  すずきみゆき

◆ 春拒み空も大地も凍っている

◆ 氷よ解けずとも良い解ければお前でなくなる

◆ 訪れる春の速さで冬来たればまた正月

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