詩【ひと夏】 2008.8.31
2008.8.31
【ひと夏】 すずきみゆき
陽がこんなにも優しく光を放つのに
なぜ雲は黙ってそれを遮るのか
父よ
ふっつりとして
あなたの影はもう動かない
暑く燃えさかる炎に身を焦がし
白い微粒子となって
8月の空を昇っていった
あの夜
長い雨が地面を激しく叩き
ひと夏を洗い尽くしてしまった
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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2008.8.31
【ひと夏】 すずきみゆき
陽がこんなにも優しく光を放つのに
なぜ雲は黙ってそれを遮るのか
父よ
ふっつりとして
あなたの影はもう動かない
暑く燃えさかる炎に身を焦がし
白い微粒子となって
8月の空を昇っていった
あの夜
長い雨が地面を激しく叩き
ひと夏を洗い尽くしてしまった
2008.6.6
◆ 父の容態落ち着きゆったりと湯に浸かる すずきみゆき
2008.6.17
【父のメモリー】 すずきみゆき
◆ 海が見たい病棟のベッドを起こす
◆ 伸ばした手鏡に波の光る
◆ 鏡の中で入れ歯が笑う
◆ 昼飯のいい匂いがすると父は絶食
◆ 早く行けと小さい背を向ける
2008.6.26
◆ 誰よりも大きな音の腕を研く すずきみゆき
◆ 夫は縦糸わたしは横糸で音を紡ぐ すずきみゆき
2008.5.25
【生きているという事】 すずきみゆき
あなたと今ここで愛し合っているという実感
私の心臓が今律動しているという確かさ
私が何処から来たのかという記憶
あなたが何処にゆくのかという想い
混沌とした様々な感覚の中で
傷ついた肌の痛みや
触れる指の温もりに
生きているという事の
真実を知らされる
愛と律動と
記憶と想いと
痛みや温もりも
私が生きているという事
2008.5.19
◆苦汁入れられ絞られ豆腐かたまる みゆき
2008.5.23
◆ 谷間を遡る一歩の重たさ みゆき
2008.5.24
◆ なにもない日の朝風呂ののどかなこと みゆき
2008.3.2
◆ 窓ガラスがやさしい光の春だ すずきみゆき
◆ 病み上がり無農薬野菜を煮る すずきみゆき
◆ 皮のまんまが旨い芋も人参も すずきみゆき
◆ 粥を卒業した今宵も冷える すずきみゆき
◆ 耳に悲しみを奏でる虫の住む すずきみゆき
◆ チキチキと鳴く耳の虫にも春の風情 すずきみゆき
◆ 耳鳴りと幻聴の違いを調べる すずきみゆき
◆ 床にふかく心をしずめる すずきみゆき
2008.3.3
◆ 目を覚まし春の暗さに布団をかぶる すずきみゆき
◆ 剃刀のような月が薄れていく すずきみゆき
2008.3.10
◆ 窓のくもり仄かに夕焼けている すずきみゆき
2008.3.16
◆ 時が早々と流れる白い雲 すずきみゆき
◆ 誰よりも2杯のワインが私を幸せにする すずきみゆき
2008.3.28
◆ 悠然と雲は流れる旅の道連れ すずきみゆき
◆ 心変わりの雲の七変化 すずきみゆき
◆ 抱き合って雷雲の行方を聴いている すずきみゆき
◆ 湯のけむり見上げれば春の空 すずきみゆき
◆ 何もかもが解けて私だけがここに在る すずきみゆき
2008.1.09
【わたしがコトバを綴るとき】 すずきみゆき
無口なもので
わたしは
ほとんど日記を書かない
けれど
山積みの仕事に押しつぶされ
沸騰した心の鎧を破り
流れ出す溶岩のような
私の想い
いずれ
冷やされて固められて
音を持たなくなるであろう
まだ溶岩のような想いが
毎日わたしに音を紡がせる
音楽は聴衆を呑み込む溶岩だが
コトバたちの潜む書物という物体
こいつは
肌に触れると読者を活性化する
トルマリン石のようなモノだ
まだ日記に記されない
まだコトバにならない
音を
紡ぎ続けられなくなった
その時
冷やされて固められて
もはや音を持たなくなった
ソレをわたしは綴るであろう
2007.12.13
【大 樹】 すずきみゆき
冬の大樹の天辺の また遥か先に
君の通った道が在る
透明な心で 透明な光を遡り
どこまでも透きとおって 逝った
冬の大樹の天辺の また遥か先の
君の道に風が生まれる
透明な風に乗り 透明な光を遡り
どこまでも透きとおって 逝った
冬の大樹の天辺の また遥か彼方の
果てしなく遠い天上よ
君の道は終わり 風は止まったのだ
ああ果てしなく遠い昊(そら)よ
透きとおった一筋の想いが流れ
透きとおった音たちが溢れ出る
どこまでも透きとおった心で
わたしは君のために
音を紡ぐしかない
冬の大樹の天辺の また遥か先に
君の通った道が在る
透明な心で 透明な光を遡り
どこまでも透きとおって 逝った
冬の大樹の天辺の また遥か先の
その道に真っ白な雪が降り積もる
透明な結晶の 透明な光のように
いつまでも どこまでも
君は 透きとおってそこにいる
=
CちゃんとYさんに捧げる
2007.12.13 みゆき
追記:冬の針葉樹は枯れずにCちゃんとYさんの世界をいつも繋いでいるよ。^^ 元気を出してね。
=
12/14 推敲しました。
2007.12.3
◆ 鳥鳴かず朝が明けない すずきみゆき
2007.12.5
◆ 目が深呼吸 山が紅葉だ すずきみゆき
2007.12.10
◆ にもつ捨て羽ばたく すずきみゆき
2007.11.7
◆ 心も保護色に染まる秋の深みだ すずきみゆき
2007.11.29
◆ 捗らない部屋の空気淀む すずきみゆき
◆ 頭の中の無が重たい すずきみゆき
◆ 雨戸の外が晴れたか小鳥の声 すずきみゆき
◆ 窓を開けて何かしよう昼下がり すずきみゆき
◆ 重い殻を蹴って私から抜け出す すずきみゆき
久光 良一・すずきみゆき 愛唱句集 合唱組曲「四季」
春の組曲『少年の想い』
1. 菜の花あかるくて蝶ふわふわと眠れない
2. 少年の想い、春の空をはだしで走る
3. ふるさとは音もなく山裾に湧きやまぬ水
4. そこに風が来て蝶のとびたつ樹陰
5. 逢うてまた別れる春の午後が晴れあがる
夏の組曲『恋』
1. 山けぶらせやってくる走り雨の白い夏
2. 青すすき 風の卵そっと孵る
3. 蛙起きているわたしも起きている夜の雨
4. ひとおもえば いちぢく匂う闇
5. どこまでも夏をころがっていった帽子だ
秋の組曲『道』
1. 山かげらせ白雲の遥かなみちのり
2. かなしみ棘に 夕映えの栗まだ落ちず
3. 枯草いっせいにそよぎたつ風の落陽
4. こころの底まで夕焼けて風の道あるく
5. 酒はやっぱりやめられん月あかり
冬の組曲『さよなら』
1. 枯れたもあり萌えるもあり野の陽きんいろ
2. 白鷺山裾に消えてゆく冬の夕映え
3. あかり消せば風が眠らせぬ野のざわめく
4. こがらしうれしい枯葉のロンド
5. 黙ってさよならしている小さなてのひら
久光 良一の詩による、
〜 バリトンソロ、混声合唱と室内管弦楽のための 〜
「風の足跡」
第1集 青春の足跡 より
第1章
1. 折り紙
2. かもめ
3. 風の自画像
4. 恋唄
5. 日々の空洞
6. 冬陽
第2章
7. ねずみ
8. 部屋
9. 日なたで
10. 海を見る
11. 存在
12. 習性
第3章
13. 十一月
14. 冬の想い
15. 冬の樹
16. 生活
第2集 老春の日々 より
第4章
18. まだ
19. 早春
20. 葉のうた
21. 冬の雨
第5章
22. ぬけがら
23. 友よ
24. 朝の川辺
25. 嘘
26. 共犯者
第6章
27. 時の中で
28. しずかな道
29. 一日を生きると
30. 孫の帰省
「種」(詩:寺山修司)
二部合唱のための「勇気」(すずきみゆき 作詞)
ブリティッシュスタイル金管バンドのための「未定」
吹奏楽のための「未定」
ピアノ協奏曲
ユーフォニアム協奏曲
サクソフォン協奏曲
ヴァイオリン協奏曲
室内管弦楽のための「未定」
ピアノのための「未定」
フルートとピアノのための「未定」
クラリネットとピアノのための「未定」
ユーフォニアムとピアノのための「未定」
ヴァイオリンのピアノのための「未定」
管弦楽のための組曲「祝典曲」
金管バンドのための組曲「祝典曲」
室内管弦楽のための組曲「祝典曲」
バリトンと管弦楽のための「アヴェ・マリア」
バリトンと管弦楽のための「アニュス・デイ」
管弦楽のための組曲「WARS」
金管バンドのための組曲「WARS」
室内管弦楽のための組曲「WARS」
吹奏楽のための組曲「祝典曲」
WARS
″WARS″FOR ELECTRONIC ORGAN
″WARS″FOR OBOE,ALTO SAXOPHONE
戦い
電子オルガンと四手のピアノのための「WARS」より 戦い
BATTLES THE
廃虚の街
電子オルガンと四手のピアノのための「WARS」より 廃虚の街
RUINED CITIES THE
雪
作品99・雪
おたまじゃくしとかあさん
作品98
木のはっぱ
作品97
組曲「陸中の海」作品88
祝典曲
(塩谷晋平氏江戸川区文化功績賞受賞を祝って)
指さきの春
アルトサキソフォンとELX−1のための協奏曲作品104
(サキソフォン奏者吉倉昌紀氏のために)
AVE MARIA
オーケストラ伴奏による歌曲「アヴェ・マリア」
AGNUS DEI
オーケストラ伴奏による歌曲「アニュス・デイ」
A UNA GIOVANE DONNA
FANTASY
オーボエ,アルトサクソフォンとピアノのためのトリオ第1番「FANTASY」
トリオ第1番OP.108
LOVE LAMENTATION
僕が死んでも
2007.10.13
◆ 夕べの洗濯を干そう小鳥の声 すずきみゆき
=
一昨日、眼科で眼鏡の処方箋を書いてもらい、
昨日は、眼鏡を作りに行きました。
11/5には境目の無い遠近両用の眼鏡が出来上がります。
今朝詠んだ句です。
2007.10.24
◆ 朝の窓に秋陽溢れ何度も伸びをする すずきみゆき
猫になった気分です。
未初演
http://www.muzie.co.jp/cgi-bin/artist.cgi?id=a052195
詞・・・・・・すずきみゆき
曲・・・・・・すずきみゆき
編成・・・・・二部合唱
難易度・・・・初級
演奏時間・・・1分45秒
●2007年8月から、私が主宰する合唱団"風"で練習を始めます。
【勇気】 詞:すずきみゆき
なんにもいらない
音をつむぐ指さきがあれば
なんにもいらない
口ずさむ唇があれば
目をとじて
しずかに耳をかたむければ
子どもたちが窓辺で
愛と勇気をかなでている
五月の空高く
飛びたつ鳥たちには
地位や名誉なんて
重い荷物でしかないさ
ちいさな翼に
大きな夢と希望をだいて
あおい空を
どこまでも羽ばたいてゆこう
2007.7.7
◆ もう次が気にかかる本番明けの朝 すずきみゆき
◆ 屋根突っ切った飛行機の爆音遠く すずきみゆき
◆ 珈琲ゆたかに心まで広がる すずきみゆき
◆ 華やかなステージに接骨院通いの日々 すずきみゆき
◆ 歩く筋肉が伸びするようだ夏の空 すずきみゆき
昨日は帰宅してから、米びつに残っていた2合半の玄米を炊いて、昼はマツモのお吸い物でご飯に蕗味噌を合わせて食べた。夕飯はワカメのみそ汁と海苔と梅干しで食べた。
【勇気】 詞:すずきみゆき
なんにもいらない
音をつむぐ指さきがあれば
なんにもいらない
口ずさむ唇があれば
目をとじて
しずかに耳をかたむければ
子どもたちが窓辺で
愛と勇気をかなでている
五月の空高く
飛びたつ鳥たちには
地位や名誉なんて
重い荷物でしかないさ
ちいさな翼に
大きな夢と希望をだいて
あおい空を
どこまでも羽ばたいてゆこう
==
今日は食べる物が無い。
すると母から電話があって、今から野菜を送ってくれるという。
しかも冷凍したマグロと冷凍した赤飯も一緒に!
ほんとうに助かる。明日になれば食料が来るのだ。
今日は、実家から持って来たユバを水で戻してお吸い物に入れよう。
流しの下を探すと、以前送ってもらった米粉がある。これを水でといでバターと砂糖とココアの粉を入れて混ぜ、弱火で硬いココアクリームケーキを作った。
美味しい! 明日まで何とか食いつなごう。
実家では奉納コンサートが中止になった代わりに、自作の組曲「陸中の海」を改作し始めたんだ。
1曲目は変更無し。
2曲目は少し変わった。今まで盛り上げ難かった箇所がだいぶ表現しやすくなったと思う。
3曲目はこれから考えよう。最後のカデンツァがどうにもバタ臭くてイケない。気に入らないのだ。
若い頃のように数分の時間を惜しんで推敲する。いい感じだ。
健康というのは有り難いものだ。内的エネルギーが溢れてくる。
今のうちに色々な事をやっておきたいと思う。
(Dr.O、どんどん運動もしなけりゃ…ネ。ハイ、ちゃんとしますよ。)
ほんとうに素晴らしい気分だ! もったいなくて時間を全て音楽に捧げたい。
でも、ご飯も作って運動もしなけりゃあね。健康あっての創作だからね。
家族も大事にしなくちゃね。だって一人で生きているのじゃないからね。
2007.3.8
【キッチン】 すずきみゆき
いつもは私が居るその場所に
今日は夫一人が入って支度していた
大して美味な出来映えでもないが
ほおばった粥が私をほころばせた
おいしいねえと言うと
当たり前だとぶっきらぼうに返す
陽だまりのようにぬくい声だった
寝ていろと言われて休んでいると
もう帰るぞ 来なくていいから
と とおい声がする
だって鍵かけに行かなくちゃ…
今日は玄関までしか見送らないから
と言い切らぬうちに あたりまえだ
と 今度は静かに答え
外からノブをぐっと押さえた
夫の足音が不規則に離れていった
あーあ
どうせ洗いものと生ゴミの山だろうから…
でも今日は休んで 早く元気になろう
熟睡した翌朝
すっかり楽になってキッチンに立つと
洗った茶碗がホーローのボールに並び
生ゴミは金ザルにまとめられていた
目をまあるくして見ていると
ボールからはみ出したお椀に一つ
洗い残しが見つかって
オレが洗ったんだと自己主張していた
2007.2.6
◆ 腰を伸ばし伸ばし杖が辿る道程
=
逆光の樹影が叫ぶ風のいらだち 久光良一
こんばんわ。
風といえば、最近、外壁や窓を叩く風の音を聞いて風の表情を読みとっています。また、時折、杖をついて風の道を歩かねばならず、よろけない様に寧ろシャンと背中を伸ばしますから面白いものですね。(笑)
昨日、循環器科を受診しました。検査の必要があるようで、「全部終わってからでいいから…」と言われました。そう言われても、実際に全部終わらせ
るには一生かかります。どうしても区切りをつけなければならないなら、既にチラシなどの広報をしてしまった最後の演奏会(3/4の本番)で、一旦けじめを
つけねばなりますまい。
他にもやり残した事を、出来る範囲で片付けようと思います。次回の受診日(3/12)に色々決めてきます。
2007.2.15
◆ 透明な心を片付けている 風の音 すずきみゆき
2007.1.23
◆ 目を細め手乗り地蔵に見入る初詣 すずきみゆき
◆ 石持たぬ魂も合わせた手の中で暖かく すずきみゆき
◆ 生きてゆけば日々あの世の君に近づいている すずきみゆき
2007.1.31
◆ 白梅ほころびぬ春まだ幼し すずきみゆき
2007.1.16
【好きっていうこと】 すずきみゆき
ほんとうに大切だから
ただ甘える事よりも
彼を守るために
妻になったように
ほんとうに大切だから
ただ癒される事よりも
音楽を仕事にしている
好きだから
生涯をかけて 責任を負って
ピアノを弾き 作品を作り
そうんなふうに二人で生き抜くんだ
2006.12.6
「暦(こよみ)」 詞:すずきみゆき
今年の暦は全て捨てた 私にはもう「今」はない
今年の日記もぜんぶ捨てた 今は空白を生きるだけ
生きた日々と 生きるであろう日々を 繋ぐトンネルの
眩しさに思わず目を瞑る もう私には未来しかない
いつだったか貴方と巡り会い いつだったか夢語りあった
なにものにも代え難い貴方を知り 愛し合ったよね
二人半の時間もっと長く過ごして 新しい暦めくる筈だった
頬を伝う一筋の流れ拭って 未来だけの二人を生きよう
来る年の暦かざって ピカピカに磨いた窓
新しい日記はもう書かないけど ぜったい忘れないでいようね
生きた日々と 生きるであろう日々を 繋ぐトンネルの
眩しさに思わず目を瞑る もう二人には未来しかない
もう二人には未来しかない ラララ・・・
もう二人には未来しかない ラララ・・・
もう二人には未来しかないのさ
********************************
これから曲を書くので、多分直すと思うけど、一応UPしておきます。
みゆき
2006.12.5
【日課】 すずきみゆき
心臓の調子がいいと、ベランダに出てみたくなります。
ベランダに立つと洗濯をしたくなります。
洗濯機をまわしていると片付けたくなります。
片付けると掃除をしたくなります。
掃除をするとピアノを弾きたくなります。
ピアノを弾き終わると、洗濯が上がっています。
洗濯を干すと窓を開けたくなります。
窓を開けると作曲をしたくなります。
作曲をすると直ぐに日が暮れます。
日が暮れると生徒がレッスンに来ます。
生徒がレッスンに来ると何だか元気が出てきます。
元気が出ると熱心に教えます。
熱心に教えると生徒が上手になります。
生徒が上手になると心が豊かになります。
心が豊かになると笑顔が絶えません。
だから毎日良い夢を見ながら眠っています。
きっと明日も絶好調です!
2006.11.18
◆ 古い道具買い替えてまだ働く すずきみゆき
くたびれました。
先月の話ですが・・・
つれあいの買ったばかりのパソコン(中古)が途中で起動しなくなったので店に電話したら取り替えて下さったのですが、その取り替えてもらったパソコンも翌日起動しなくなってしまいました。
そこで、こちらに問題があるのだと思い再び店に電話したところ、また送り返してくれと言います。
しかし、むこうでは起動するのだそうです。
そこで、私たちがインストールしたソフトに問題がないかどうか調べてもらうためにデータを送りました。が、問題ありませんでした。
結局、新しい機種のパソコンに対して我が家の古いディスプレーの出力が小さいという事らしく、新しくディスプレーを買って無事に起動しました。
初めての時は私の隣で見ていた夫も、2回目と3回目のセッティングは全て自分でやってくれましたので、私は安心して仕事が出来る筈だったのですが…
なんと!私のパソコンまで!
と言いますか、私が寝不足でボ~ッとした状態でパソコンをいじり、捨ててはいけない何かを捨てたのではないかとしか考えられないのですが、再インストールが必要になってしまいました。
設定を変えたくないので上書きしたのですが、かえってゴチャゴチャになって作業中にクラッシュしてしまいました。仕方がないので、また上書きし て、すっかり重くなったハードディスクからソ~ッと仕事のファイルと重要なファイルだけをCDに焼き付け救い出してから、ハードディスクを初期化してまっ さらにし、新しくシステムをインストールしました。
ここのところ、そんな訳で3日ほど寝ずに仕事していました。
終わったので、少し休んでから夕方はホールに打ち合わせに行ってきます。
ここで一句
◆ 古い道具買い替えてまだ働く すずきみゆき
=
2007.11.24
◆ 一人三脚の足跡ふり返る木枯らしの道 すずきみゆき
2006.8.29
◆ 誰の化身か 居らぬ筈の蝶が舞う すずきみゆき
◆ 沈む夕陽 美し過ぎてせつない すずきみゆき
◆ 酒や己に酔うて人殺める輩あり すずきみゆき
◆ ヴィオロンのため息に空が泣いている すずきみゆき
2006.7.16
◆ 道に雨のシミがひとおつふたあつ直ぐ消えて すずきみゆき
2006.7.20
◆ 誰も居ぬ筈の空気がやさしく動く すずきみゆき
◆ 呼吸し酸化されながら命燃やしてる すずきみゆき
2006.7.22
◆ 音想へば歌っている夏の空 すずきみゆき
◆ 鍵盤に深く沈み一つになる すずきみゆき
◆ 手の中に愛と音を育む すずきみゆき
◆ 心の軽さで失ったものの重さを知る すずきみゆき
◆ 一つ亡くして何もいらなくなった すずきみゆき
◆ 布団に打ち上げられた亡骸で眠る すずきみゆき
2006.7.28
◆ 夏が来た光る汗の少女とすれ違う すずきみゆき
◆ 梅雨明けぬラヂオの雨音で目を覚ます すずきみゆき
2006.6.4
◆ 多すぎる荷物に潰されている すずきみゆき
◆ もう何も要らぬ束の間の歳月 すずきみゆき
◆ 余分を捨てだいぶ楽になった すずきみゆき
2006.6.18
◆ ビール チーズ バターロールの昼風呂 すずきみゆき
2006.6.21
◆ はしご倒れかけた瞬間の空中遊泳 すずきみゆき
2006.6.23
◆ 料理で暮れた日の風涼やか すずきみゆき
2006.6.24
◆ 日替わりの仕事に明け暮れ 風が吹く すずきみゆき
◆ のっぺらぼうだった子の顔ができた すずきみゆき
2006.6.28
◆ 日に一槽 わたしの汗を洗う すずきみゆき
2006.6.29
◆ わたしの影撓む暑さだ すずきみゆき 撓む(たわむ)
◆ 検査待ちの無味なガムを噛む すずきみゆき
2006.4.10
(C-Direct-2U ★「ちょ詩」-30 2006年8月21日号)に取り上げて頂く
【サンダルと私】 すずきみゆき
晴れそうでいて晴れることの無い春の空から
透明なナニかが降りて来るらしい
濡れるでも無く乾くでも無いベランダのサンダルに
音も無く小さなシミが広がっては蒸発していった
なぜ空は泣いているのか 風の無い静かな春の昼下がりに
と サンダルに呟いた
2006.3.1
◆ 鼓動ぎこちなく生きる すずきみゆき
◆ 鍵盤恋しがる指だ すずきみゆき
◆ 終演の風美味い すずきみゆき
2006.3.26
◆ 鳥も猫も鳴き交わす春の夕べは すずきみゆき
◆ うかうかと日暮れる早さよ すずきみゆき
◆ 日の当たらぬ男の陰うすい すずきみゆき
◆ 薄れた憎しみハラリと捨て春独り すずきみゆき
◆ 誰が捨てたか幸せ煽られて飛んで すずきみゆき
2002.12.9
(C-Direct-2U 投稿#269 2003年3月3日号)に投稿
【孤独】 すずきみゆき
地球(ほし)を覆いつくすかのように
空は
どこまでも凍てつき
落っこちる寸前の重たさを保っている
天上から
白くあどけない落下傘部隊が
次々と降り立ち
木々の枝々に
純白のトナカイの角を造形していく
この
天使たちの造った風景は
もう動かなくなった時間の屍
その氷雪の谷間では
生きた孤独だけが
あつく流れてゆく・・・
***
***
作者のコメント(C-Direct-2U 投稿#269 2003年3月3日号):
去年の12/9、大雪の日です。私は作品のスケッチ旅行に山梨にいきました。
その時、バスの窓から見えた景色に触発されて書いたものです。
収穫は一遍の詩だった。。。 ふふっ、複雑な思いで帰宅しましたね。
なんでかって?・・・・・・・
・・・あっ、申し遅れました。 わたし、作曲屋なんですよ。(笑)
自分の書いたものは、詩に限らず 一度自分から突き放して 冷静にみたいですね。
そのために投稿させて頂きました。 忌憚のないご意見を頂ければ嬉しいです。
すずきみゆき ◆ こんな日常の中でつくる非日常の価値
***
***
*** 3年経って ***
作者のコメント(2006年3月10日):
思い返せば 私は、必死な時には孤独を感じた事がありません。決して必死な時には孤独ではないという意味ではありません。孤独かどうかすら解らない「孤独」だという概念などを思い浮かべる余裕がないのです。例えば必死に何かに向かっている時、道ばたに咲いている花や、風や空の様子から季節の移ろいを感じる余裕がないのと同じです。心を忘れている(忙しい)のです。
【孤 独】を書いた日、私は珍しく時間を作って旅(スケッチ旅行)に出ました。そのこと自体は幸せな事なのですが、バスの外の延々と続く雪景色を眺めていて、私はあたかも外から自分を眺めているような感覚を覚えました。
冷たい筈の一筋の水流が、さらに冷たい氷雪の谷間を湯気をたてて流れていたのを思い出します。
あの時は(私が選んだ道だから一人でも仕方ない)と思っていました。
でも、今は、あの一筋の水流は場所を選んで流れていたのではない。自然の摂理に従って流れるべくして そこを流れていたのだと思うようになりました。
人は何をする時も自分として生まれるべくして生まれ、生きるべくして行き、逝くべくして逝くのです。
あの一筋の水流は無意識に大洋を目指して流れていたのだと思います。どこまで頑張ろうかとか、いつか大海原に辿り着くかどうかなどとは考えないで、きびしい環境の中を 体を白く蒸発させながら ただただ流れていたのです。 生命体が、授かった「生」をひたすら生きているように。
2006.1.11
【誰でも死と隣り合わせ】 すずきみゆき
花が花として咲き続けるように
わたしは自分であるために
何かをし続けなければならない。
日々 時を刻む音の傍らで
わたしは自分であり続けようとする。
止まってはいけない 止まってはいけない
自分を止めてしまったら
死ぬこととなんら変わらない。
けれど
命は ちゃんと
生まれたときから死に向かっているんだ。
花が散って 花でなくなっても
いずれ実を結ぶように
この世に生まれて 自分を生き
生きて 自分を死に
死んで 何かを残す
そのために私たちは生まれた。
ちゃんと自分になれるまで生きて
ちゃんと自分を死ぬことが出来るまで
生きよう。
自分の死をもって何かを残せる人間に
なれるまで生き続けよう。
いつの日か続けられなくなるであろう「自分」と
この世に生み残した私の分身たちとが
世界と 世界とで
繋がっていてくれればさえ それでいい。
2006.1.10
【夢】 すずきみゆき
揺れて ゆれて ゆれて ふっつりと
切れて きれて きれて 放られた
飛んで とんで とんで ぶつかって
落ちて おちて おちて 崩れても
止まったら もう死んだも同じさ と
呟く声が いつまでも 止みはしない
毎夜毎晩 揺すり続けるしかない心の
あなたの漕ぐブランコが見る 私は夢
2005.12.27
【第3の磁極】 すずきみゆき
今朝の私は
いかにも私らしい
N極にも
S極にも反発する
第3の磁極のようだ
それでいて
確かに
ある方向を探っている
一向に定まる気配のない
震える針先
N極や
S極がなければ
消滅するであろう
第3の磁極
のような今朝の私が
午後の私でもあり続ける
かどうかなど
集積場のカラスにでも
聞いてみなけりゃ分からない
2005.12.27
【半世紀生きて】 すずきみゆき
半世紀前の今日
今は亡き父方と母方の二人の祖母と父母のいる家庭に生まれ
5歳で両親に連れられて上京した
10歳になって先天性心臓病と診断されるまで
私のが普通のからだだと思っていた
今は心蔵病も根治させ
夫と息子たちが近くにいる180度ちがった環境で
私は音楽家として暮らしている
彼らファミリーも時々は様子を見にくるが
ここを訪れる人のほとんどは私の弟子達だ
この建物はいわゆる家庭ではなくライフワークの仕事場で
ここが生活の基盤であり私の日常なのだ
しかし
音楽家として絶好の環境とも言える一人暮らしの匂いの漂うこの場所は
ひとたび仕事を離れると実に味気ない
なのに私はこのアジトを離れられないでいる
確かに何かを成し遂げようとすれば
最終的に自己との戦いは避けては通れないのだし
カラダの不調も夫の言うように時期的なものなのだろうと思う
だから
今ここで頑張らなくてはと言い聞かせている
桃源郷ではないが
理想郷などというモノは
やはりこの世には存在しないのだろう
自分の責任で自由を使いこなす自立した生活が許され
必要な時だけ助け合うファミリーがいる
私の環境が芸術家としての理想である事は確かだが
一般的な家庭のぬくもりとは無縁になっている
もちろん特別な場合をのぞいて家族のしがらみからも解放されている
何から何まで追い求めるのはよそう!
中途半端な人生を歩んでしまうに違いない
きっと一人の人間が与えてもらえる幸せの量は決まっていて
それ以上を欲する事こそ罪悪なのだと実感できる
私も半世紀生きてほんの少しだけ成長したようだ
2005.12.26
【透明人間になったら…】 すずきみゆき
だれからも見えない透明人間に
なれたらいいなあ…
という願望を
子どものころには持っていた
人の目を気にせず
自由気ままに行動できたらいいと思った
今 半世紀生きてなお
私は透明人間になりたい
他人から見られるのは構わないけど
私の前から「わたし」を
消し去ってしまいたい
衝動に時々かられるのだ
限りなくゼロに近づきいてゆきたい心が
ある朝カラダを透明にしてくれる
私が「わたし」を見失う
そうなってももう私は探さない
探さないでそのまま眠りたい
息子よ 父よ 母よ 最愛の夫よ
そんなふうになった私を
あなたがたは
どんな想いで見つめてくれるだろうか・・・
自分だけのためになら
とっくに消えていた筈の私のカラダを
私は見つめている
息子と 父と 母と 最愛の夫と同じ視線で・・・
もはや私のカラダは私ではない
ただの一つの物体でしかない
もはや私はこのカラダに不在だ
透明になったのはこのカラダではなく
私だ
遠い とおい記憶の
子どものころの願い
透明人間になれたら…
今 私には願望はない
ただ、透明になった「わたし」が
どこかに居るだけだ
私には見えない
「わたし」がどこかに居るだけだ
2005.12.1
【生きるってことは】 すずきみゆき
生きるってことは
それだけで大変な事だと思う
あんなことや
こんなことに傷ついて
どうしようもなくても
人生投げ出すわけにいかないから
皆懸命に生きている
人に八つ当たりする奴もいれば
とばっちりを受ける奴もいる
勝手に傷つく奴もいるさ
怒りのやり場もない
やけ酒を呑んで帰る
それでも結局は
今の自分が出来る事を見つけて
生きていかなきゃあならない
生き甲斐があるとか無いとか
そんな生っちょろいものじゃないんだ
生きるってこと自体が闘いなんだと思う
どろどろとした見えない血を流し
見えない薬をさがし
見えない傷を癒しながら歩いてゆく
薬のつもりが毒だったりするんだ
そして とうとう
何をどうすればいいのか分らなくなる
もう そうなったらお仕舞いだ
生きるってことは
自分の行く手を信じ込んで
ひたすら歩いてゆくしかないってことだ
恐怖に泣き叫んだって
誰かに八つ当たりしたって
ただそれだけでしかない
無駄なエネルギー使わないで
怖がらずに当てずっぽうに
何処にでも歩いて行くほうがマシだ
今の私にとって
音楽は
生き甲斐などというキレイゴトじゃなく
こんなふうに生きるってことそのものになっている
2005.11
・・・ちょっと一昔前を思い出しました
◆ 病棟に千歳飴もって晴れやかなる子の来る すずきみゆき
◆ お母さんにもあげるねと千歳飴あける小さな手 すずきみゆき
2005.10.31
【無言】 すずきみゆき
青年が言った
先生には生き甲斐があるからいいと
馬鹿言いなさい
私が生きているのは まだ
心臓が動いているからです
私はとうとう青年に
そう言ってやれなかった
なぜって
彼は まだまだ
夢や生き甲斐というものを
信じて生きてゆかなければならない
習慣だけで生きられる
私は もはや若くないのだろう
うちの家族は みな同業者で
互いの痛みを知り過ぎている
陰で 血を滲ませ 決して怠らない努力が
一見華やかな自分を支えていることを
自分の目標である 表面の自分が認められれば
決して嬉しく無い訳ではないが
その反面
褒められれば 褒められるほど
ほんとうの自分を知らない人たちの
言葉が
反発したくなるほど厭なものだということを
私たちの茶の間には仕事の話題がない
たぶん
分り合えると信じることのできる無言が
どれほど やさしいものかを知っているから
2005.10.6
【深み】 すずきみゆき
◆ ふり返った私の道がない
◆ みな死ぬまで生きて平等
◆ 床に沈んだ一年半の疲労おもい
◆ 上に行くしか道がないとんだ深みだ
◆ 床から起き上がっては鍵盤に指を這わす
◆ 腕が体が窓ガラスに透けている
2005.9.30
おとなのアートに投稿
【詩人】 すずきみゆき
タイムマシーンに乗って
その詩を書いてる最中の
あなたを見に行きたい
狐か狸にたのんで
あなたの机に成りすまし
詩作を見守るだけでいい
あふれる想い走らせる
そのノートは
その文字はどんなで
ペンなのか 鉛筆なのか
わたしは
熱い楽想を 熱い想いで
しかし落ち着いて曲を作る
あなたはどうだろう
厳しさを
やさしさを
熱い言葉を
その時
足は組んでいるのか
どんな息づかいで
背中の肩の腕の指の
どんな表情で
詩を書くのか
タイムマシーンで帰る日
まだ私を知らない
青年のあなたに
わたしはどんなふうに…
ただすれ違うだけでは寂しい
そっと道でも尋ねてみよう
2005.9
◆ 月の姿くっきり うす雲つらぬく すずきみゆき
◆ 悩み消えない 月がこんなにまるいのに すずきみゆき
◆ 言葉だけの溝 慈しみあって埋める すずきみゆき
2005.7.17
◆ 揺れる思い出の入口のノブが見えない すずきみゆき
2005.7.18
◆ 友達のフリして心のカサブタひっ掻く すずきみゆき
(世の中には 斯様な人がおります。気をつけませう。)
◆ じんわりとも突然もおなじ終着駅 すずきみゆき
2005.7
◆ 深夜のブレーキ音 心が轢かれた すずきみゆき
◆ 朝のシャワー浴び今日も歩けるだけ歩く すずきみゆき
2005.4.
◆ 私の影伸ばそうとして陽が沈んだ すずきみゆき
◆ 陽も影も葬った夜闇のまた流れ星 すずきみゆき
◆ 嘘と真と一日が始まる すずきみゆき
◆ 緩んで鳴りだした春のオルゴール すずきみゆき
◆ 空も私もぼんやり 春の日溜まりは すずきみゆき
◆ とけて流れる水音も春だ すずきみゆき
2005.4
◆ 夜の野を照らしだしバスが曲がる すずきみゆき
◆ 風静か もの言わぬ石の想い すずきみゆき
◆ 繋ぐことのできぬ一つの愛おもう すずきみゆき
2005.1.10
【赤提灯】 すずきみゆき
◆ 熱燗一本 ネギ間 レバ 軟骨 塩で
◆ とくとくと温もりをつぐ
◆ 猪口越しに目が合って口べたになるカウンター
◆ お客さんこっちの人じゃないべと目が笑う
◆ ふと窓の湯気拭いた指の隙間の銀世界
◆ ご馳走さまでしたと標準語さびしい
◆ 名残惜しい生まれ故郷の店灯り 雪は降る
>◆ とくとくと温もりをつぐ
これを方言で詠んでみましょう。語感に味が出ます。
◆ どぐどぐどぬぐもりぃつぐ
2005.1.3
◆ 雪見てうとうとと陽だまりの廊下 すずきみゆき
◆ 常灯赤く闇際立たせる夜道を急ぐ すずきみゆき
◆ おもたい空で暮れてきた カラスといっしょに帰りましょ すずきみゆき
◆ 舞台跳ねて湯に酒に和む肩の重みほどよい すずきみゆき
◆ 星 星 星 寒空が砕ける すずきみゆき
◆ 星 星 星 寒空砕ける (久光良一先生 添削)
2005.1.1
【正月】 すずきみゆき
◆ 春拒み空も大地も凍っている
◆ 氷よ解けずとも良い解ければお前でなくなる
◆ 訪れる春の速さで冬来たればまた正月
2004.11.3
◆ 仄かなる雲間の青さ抱く ああススキよ すずきみゆき
◆ 一日の夢が始まる朝の覚醒 すずきみゆき
2004.11.6
◆ てのひらにのった1気圧のからっぽ重い すずきみゆき
2004.10.20
【降伏】 すずきみゆき
一瞬
どうして良いか分からなくなって
私は顔を歪め拳を握りしめた
あなたの言葉の前に
私はあまりに無力だ
求めていたものがここに在り
その言葉は私を確かに動かし
想いが音となって溢れ出てくるのに
あなたの真誠を汚してしまいそうな
不安が私を卑屈の檻に閉じ込めてしまう
あなたとの戦いのように見えて
自分に挑んでいる震える指さき
作曲家の良識と性(さが)とが
折り合えないで加熱しつづける
今あなたの言葉に
ひれ伏すことができたなら
どんなに救われるだろう
けれど
あなたに降伏するのは
この曲を書き上げてからにしよう
2004.9
【寺参り】 すずきみゆき
◆ 見知らぬ老人とじっと無縁墓地に佇みぬ
◆ 渡れるほどまだ身軽になれぬ対岸に子の居り
◆ 地蔵もわたしも手ぶらで雨音ばかりの帰り道
◆ あまりに小さき子のいかに川を渡って逝けり
◆ 優しい顔は生まれてから死んだ地蔵さん
◆ お地蔵さんさよなら まだ降り止まぬ
2004.7
◆ どんよりとして陽の見えずとも影を映す すずきみゆき
2004.7.11
◆ 琥珀色の窓がやさしい決別の朝 すずきみゆき
◆ 家並暗く まだ動き出さぬ朝だ すずきみゆき
2004.05.04
【ラムネ】 すずきみゆき
過去の殻をやぶり 未来を育てよ
瓶の中に封じられた夢を 希望を
わたしの舌の上で静かに成就させ
ひとつひとつ解き放ってやりたい
2004.3.18
【紙飛行機】 すずきみゆき
◆ 紙飛行機とばそう 春の想い乗せて
◆ 紙飛行機ふたつ 春の空をすべる
◆ 紙飛行機ゆれた 春風のいたずら
◆ 夕陽の中をおちる 長い影ふたつ
◆ しとしと濡れて 草むらの紙飛行機
◆ お前よ まだ飛べるか よれよれの春の月だが
2004.3.3
◆ のびして私がほどける寝床も春だ すずきみゆき
◆ 空にぽつんとあいた穴まばゆい春の陽 すずきみゆき
◆ ちぎれ雲ほかほか どれアンマンでも食べよう すずきみゆき
2004.2.
自由律47句による詩
【道草】 すずきみゆき
<序> 道草の食い方にも色々と作法がある
されど吾輩の辞書に道草はない
<起> ある朝気づくと私の中に「わたし」がいない
かけ違った文明という歯車かたく
目醒めれば現実の儚さを知るばかり
狂った感性が横行する表通り
狂気と見紛う正気の自分が危うい
北をめざせ母なる海をめざせ
故里の山河悠久の時が流れ
白い石浜海の青さをたたえる
冬の夜山里に星のふる降る
ふるさとでほんとうの「わたし」をとり戻したい
<承> 松林なつかしく海の遠鳴りを聴く闇
枝越しにちらちらと誘う灯りに足の向く
快楽原則がもたらす文明の明りだ
短い蝋燭にまぼろし揺れてる
なぜ和む山切り崩した庭園の灯籠
汚染工場の自慢の保養施設だ
希望も失望も数多き人の一生
触れて優しく住めば困(こう)ずるされど故郷
鍬握り翳した手の節榑立ちて
秋収め実らぬ稲の空仰ぐ
出稼ぎ人農村に帰らず
子の戻らぬ町観光に望み托す
夏の波に浮かぶサンオイルの輝き
純白の浄土ヶ浜の想い出煤けゆく
<転> 安堵と不安が同席する食卓のらんぷ
選ぶことのできぬメニュー
活きる私の括った腹を満たすもの
何をか喰らわんとす品書きにない逸品
変りゆく「作法」多元世界への変遷
真偽を定める言葉持たぬ博学の士たち
危ういのは正気と見紛う狂気の己(おのれ)だ
燃え尽きそうな蝋燭にゆらぐ価値観
今ともしび消えんとして光を増す
テーブルが壁が床が白んでぐらりと歪んだ
「私はどこだ…」もう一人のわたしが嗚咽する
光明絶え「現実」と「幻想」が入れ替わる
残像の中から近づく足音と輪郭
<結> オマタセシマシタ トウテンジマンノ「道草」デス
無常観に堪えながら私は「わたし」を見つけた
時代の作法に流されぬ根っこ生やしてる
潮流に足浸して自分をつづけてる
言葉などではない実体だ
ああ これが私なのか…
<跋> 道草ノ食イ方ニモ色々ト作法ハアル
サレド吾輩ノ辞書ニ 未ダ「道草」ハナイ
(2004年 1月 31日構成、 2月 2日首、 2月 24日尾)
2003.11.17
【柿の実】 すずきみゆき
◆ 大根は根を生やすことで生きている
◆ モヤシは芽を出すことで生きている
◆ 蔦は葉を這わすことで生きている
◆ 桜は花を咲かせることで生きている
◆ 柿の木は実をつけることで生きている
◆ 言葉は人間の都合で生きてくる
◆ 老木に柿の実ひさびさ まだ覚えていたらしい
2003.11.14
C-Direct-2U ★「ちょ詩」-27 2005年3月14日号に投稿
詩を作ってみよう♪に投稿
鏡にしらがのじぶんを写して
なかなか似合ってきたなと笑う
たいせつなものを見極めて
いらぬもの全てすてた部屋に
残ったヘアカラーの容器が
不燃ゴミの日を待っている
すでに秋がおわったベランダで
洗濯機のわたしをあらう音がひびく
まっさらにあらわれた心にひとつ
染みついた亡くしたくない想い
やっと迎えたすがしい冬の朝
わたしが私をみきわめる
洗いざらしの ほんとうの自分
2003.10.27
【ふるさと】 すずきみゆき
◇ 積雪に埋もれて咲けり一輪の けだかく香る紺碧の花
◇ 春陽浴び粉雪煙りて山越えり 海恋ひて吹く風の嬌艶
粉雪 こゆき 煙りて けぶりて 嬌艶 きょうえん
◇ 白雲に注いだばかりの空の青 溶けて和んで春は流れる
◇ 春日浴び美しき葉の枝垂れ落つ 可憐な花に名を尋ねけり
◇ 秋風の花野に咲ける一輪の向日葵とおく夏を臨みぬ
◇ 東雲の白き岩膚波に濡れ 浄土が浜の風もときめく
東雲 しののめ
2003.10.25
【歩み】 すずきみゆき
◇ 夢おうて漕ぎ出す舟の櫓は軋む
「おうて」は「負うて」と「追うて」をかけました。
◇ 幼けなき想い芽ぐみて花を待つ
◇ ひたひたと影ついてくる日向道
◇ 秋収め実らぬ稲の空仰ぐ
◇ どろんこ道ひとり足跡つれてゆく
2003.10.2
【酒】 すずきみゆき
◆ 会うて また酌み交わす するめツマミにして
◆ すきっ腹にぐいと懐かしさ広がる
◆ 夕んべの燗冷まし入れて煮魚旨い
◆ 腹に大根熱く 冷や酒流し込む
◆ 酔うたふりして振る手さびしい
2003.7.8
◆ 海面を切って石とおく七夕の願い すずきみゆき
◆ 瓦に苔白み雨の欲しい夏の夕暮れ すずきみゆき 白み しろみ
◆ 雲間から地獄を覗く天女とふと目があう すずきみゆき
2003.4.1
ピアノの友だちへ
◆ 慈しみ育てた子の春陽遡りて逝く すずきみゆき
いつくしみそだてたこのはるひさかのぼりてゆく
◆ 胸の中にも腕の中にも まだあなたがいる すずきみゆき
2003.4
◆ 闇際立てり法悦の後夜 すずきみゆき
後夜 ごや = 達陀(だったん)を行う時間帯
2003.4.9
◆ 花祭りおわって清しい朝の光り すずきみゆき
◆ 待ち望んだ青空になぜ孤独際立つ すずきみゆき
◆ 孤独は哲学じゃなく実感だった すずきみゆき
◆ 思索から生じた疑念がつづけさせた思索 すずきみゆき
◆ 空っぽを「わたし」で埋め私がなくなった すずきみゆき
2003.4.10
◆ 冴え返り温みなおして それだからいい春 すずきみゆき
2003.4.17
◆ ふきさらされど ぬくみてなごむ春のベランダ すずきみゆき
2003.4.25
◆ ささやかな希望ゆらして春風のとおり道 すずきみゆき
2003.3.21
【演奏】 すずきみゆき
戦争なんか見なかったみたいに江戸川の空は澄んでいる
むしろ雨でも降ってくれたほうが心が和むのに・・・
闘いとは無縁に 明日が本番で
終演後 世界の何かが変る気配を感じながら
きっと普段通りに打ち上げるんだろう。
アルコールも いつも通りの味わいで・・・
今は 本番のことで頭がいっぱいで
何もかも忘れたいところだけれど
心の片隅にひっかっかた戦争への疑問を留めたまま
私だけは いつもと違う演奏をしよう。
2003.3.16
◆ いずみ甦り春の月もゆらぐ すずきみゆき
◆ あおにむかう昊のしろさがまばゆい すずきみゆき 昊 そら
◆ 地上を照らし昇る陽の主役になる刹那 すずきみゆき
◆ ひたひたと影ついてくる日のあたる人生 すずきみゆき
◆ 大きな地球が月に影落としてる すずきみゆき
3月の作品
2003.3.15
詩を作ってみよう♪に投稿
【 罠 】 すずきみゆき
缶の中では円筒形に溶解した生き物が
冷やかに沸騰を待ちつづけている。
ヤツこそ
わたしに侵入し内臓と脳を侵食する機会を狙っている。
そうだ
そのために作られたのだ。
強烈なフェロモンを沸騰させ
かつては わたしの舌に喜びを満たし
今 缶の中で わたしの渇いた唇を嘲ている。
冷やかに わたしの食指を刺激するオマエを
征服するのは わたしの方だ
2003.2.10
◆ 良きも悪しきもこえてきた ただみつめあって すずきみゆき
2003.2.13
◆ 雪溶けて谷馳せる水の音山渡る すずきみゆき 音 ね
◆ 大きな顔が居残る 満月の朝 すずきみゆき
2003.2.28
◆ とんびがなぞった青の風描 すずきみゆき 風描 ふうびょう
2003.2.28
◆ うーんと伸びしたその指さきに春がある すずきみゆき
2003.1.8
◆ 残すところ365日のスタート すずきみゆき
◆ 寒空がピーンと背中になげた朝の気力 すずきみゆき
◆ おお 空が太陽だ 風が鳥だ すずきみゆき
◆ 記憶のそとに零した思い出の染みきえない すずきみゆき
2003.1.17
◆ 走っても走っても太陽を追いこせない すずきみゆき
2003.1.24
◆ 風が素足に恋して裳裾はだける すずきみゆき
「一行で詠おう!自由律俳句」に投稿
◆ 落とす影 花と蝶との真昼の戯れ すずきみゆき
◆ 窓ガラスに雪が解け溢れては伝うている すずきみゆき 伝う つとう
2003.1.28
◆ 夢長く覚めて生きるも哀しい すずきみゆき
◆ どろんこ道ひとり足跡つれてゆく すずきみゆき
◆ 歪んだ顔が覗きかえす風の水たまり すずきみゆき
2002.12.16
◆ 流水石を砕き尺八の音「我」を斬る すずきみゆき
流水 1. 流れている水。 ←→ 静水。 2. 川。
我 (が) 4. [仏] 人間の自我の中心となる常住のもの。「我執・大我・無我」
2002.12.17
◆ まだこない想い出をさがすのが希望の定義 すずきみゆき
2002.12.18
◆ こんな日常の中でつくる非日常の価値 すずきみゆき
2002.12.21
◆ 透けたカラダを貫きとおす冬の雨音 すずきみゆき
2002.12.25
◆ 火を消してこがらしの寒さきく すずきみゆき
2002.12.28
◆ おこす人もなく兎のひるね すずきみゆき
2001.11
おとなのアートに投稿
【陽と雲】 すずきみゆき
太陽からは見えないだろう。
地球の夕焼け雲は・・・
しかし、どんなに離れていても
雲は陽の光に呼応して
紅く燃える。
そして、雲は信じているのだ。
朝夕輝く自分を、
太陽が知っていてくれると。
2001.11
【ススキよ】 すずきみゆき
ススキよ
わずかに残された秋をたいせつに抱き
つば広の帽子を優雅によそおう
とおい富士の気高さを
なにを想ってじっと眺めているのか
3月の作品
2000.3.
【雪】 詞 すずきみゆき
1、ゆき ゆき 雪がふっている
ふわふわふわり ふっている
雪は ゆめに よくにてる
つかむと しゅるり すぐきえる
2、ゆき ゆき 雪がつもってる
ずんずんずんと つもってる
ぼくは 雪がだいすきさ
あるくと さくり おとがする
3、ゆき ゆき 雪がとけだした
きらきらきらり とけだした
春が はるがやってきた
ゆき ゆき 雪よ さようなら
■桑原洋明作品 | ●すずきみゆき作品 | ♪すずきミュ〜ジック | ♪コンサート | ♪合唱・歌曲 | ♪吹奏楽・管弦楽曲 | ♪室内楽・独奏曲 | ♪音楽団体 | お知らせとメモ | みゆきのエッセイなど | みゆきの詩歌 | ボランティア | 日記・コラム・つぶやき | 音楽
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